SHLG第1話 『狙われたアイドル』 (6)
両手をキャプテンレイカに踏みつけられ、ドクロ戦闘員に大きく両足を広げられ、身動きのとれないペギー松山。その悩ましげに盛りあがった股間に向けられる巨大な光線銃。
「さあ、しっかりこいつの股間を狙うんだよ。」
「うう。いったい何をする気?」
「お前は、OTTO様にそのまま献上するには女っ気が足りないからねえ。少し、女っぽくなってもらうよ。対モモレンジャー光線の正体は、性感帯の感度を数十倍に高める催淫光線さ。もっとも、ゴレンジャースーツの上から浴びせるよう設計されているからね。生身のまま浴びたら、よがり死んじゃうかもね。ほーほっほほ。」
「そ、そんな。やめなさい。」
まさにペギー松山絶対絶命!
その時、現場に響き渡る凛とした声。
「そこまでよ!」
そこには、アイドル水野勇希と逃げたはずのカメラマンの姿が。
意外な乱入者に驚く、ペギーとOTTO軍団。
「カメラマンさん、だめよ。来ちゃだめ。逃げて!」
「いったい何者だ、お前?」
次の瞬間、カメラから放出される強烈な閃光を放つ粒子。
視界を奪われたOTTO軍団。
光と混乱の中で、打撃音とくぐもった戦闘員のうめき声が聞こえる
バシッ。
「うぐっ。」
ビシッ。
「うぐっ。」
「今よ、ペギー。逃げるのよ。」
ようやく視界を取り戻したキャプテンレイカの前に、ペギー松山とカメラマンの姿はすでに無く、足元には倒された戦闘員が転がっているだけだ。
怒りに顔を歪めるレイカ。
「おのれ、あの女め~。よくもキャプテンレイカ様に恥をかかせてくれたね。必ずこの借りは返させてもらうよ。」
国際防衛機構、資材管理課女子更衣室を隠れ蓑にした、SHLG指令室。
黒のボディースーツ姿のSHLG司令、速水リョウコと話すペギー松山。
「ペギー、いったいあの様は何なの?モモレンジャーに転換したことで。心に隙が出来たんじゃなくて? ゴレンジャースーツは無敵じゃないのよ。」
「すみません。まさか、ゴレンジャースーツがあそこまで調べられてるなんて。」
「まあ、お説教はこれくらいにしましょう。新しい仲間を紹介するわ。」
「元SSI隊員、松原真理です。よろしく。」
「あ、あなたは、さっきのカメラマンさん。」
驚きを隠せないペギー。
「鉄面党との戦いの後、SSIは解散したけど、彼女はカメラマンの腕を買われて国際防衛機構の広報部に残っていたの。それを、資材課に引き抜いたの。」
「そうだったんですか。真理さん、さっきはありがとう。これからもよろしく。」
「ええ、ペギーさん。いっしょに闘いましょう。」
遂に幕を開けた、新たな敵OTTO軍団との戦い。
SHLG(スパーヒロインリーグ)にも、新たな仲間が加わった。
戦えペギー松山! 負けるな松原真理!
―完―